北豊津駅 (函館本線)

◆原野の中の北豊津駅

国縫駅を出て函館本線を更に南下して行く。国道5号線は真っ直ぐな道となっていて途中にパーキングエリアが北行きの反対車線側に設けられている。このパーキングエリアの中間あたりに、北豊津駅への進入路があるのだった。秘境駅としても知られる北豊津駅は、この細いダートとなった進入路を原野の中に進んでいった突き当りにある元信号場の駅なのだった。

かなり判りにくい進入路なのだが、入り口には「北豊津駅→」の立て札が在るので見逃さないようにすれば、到達できる駅である。

駅舎は無いが小さな待合所がある。もちろん改札は無い。ホームは2面2線となっていて跨線橋が無いので、上下線を横断して対面ホームに渡る少し危険な駅の構造だ。遮断機と警報機は付いているのだが、車椅子では渡れないようであった。

駅の裏側に1軒の廃屋があり、建設関係の資材置き場以外は何も無い原野が続く北豊津駅周辺であった。

時刻表を見るとあと少しで、普通列車が来るようなので待つことにした。エンジン音とともにキハ40単行気動車が入線してくる。秘境駅とて1日何本かは列車がやってくるのだ。しかしながらこの列車を利用する人はこの駅では誰も居なかった。

寂しさだけを残し、キハ40はエンジン音を轟かせ真っ直ぐに伸びた線路を黒岩駅方面に去って行くのであった。

 

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